薬学系学会・薬剤師会の運営を担当することになったものの、「本業の傍らでどうやって準備を進めればいいのか」「認定薬剤師制度の単位管理はどこまで外部に任せられるのか」と悩んでいる方は少なくありません。本記事では、薬学系学会・薬剤師会に特有の運営課題と委託できる業務の範囲を整理したうえで、委託先を選ぶ際の具体的なポイントを解説します。
薬学系の学術団体・職能団体と一口に言っても、その種類と規模はさまざまです。まず全体像を把握しておきましょう。
薬学系の全国組織には、研究・学術活動を中心とする学会と、薬剤師の職能・業務に関する活動を担う職能団体などがあります。薬学・薬物療法に関連する学会には、日本薬学会、日本医療薬学会、日本TDM学会など、専門領域ごとにさまざまな学会があります。特に日本薬学会年会は薬学分野を代表する大規模学術集会で、口頭発表・ポスター発表・シンポジウム・企業展示が併催されます。
一方、日本薬剤師会や日本病院薬剤師会は職能団体として位置づけられ、学術大会に加えて認定制度の運営、生涯研修事業、政策提言、広報活動など事業範囲が広いのが特徴です。薬学分野には、研究・学術活動を担う学会と、薬剤師の職能・業務に関する活動を担う職能団体が存在します。
薬学分野は、がん・感染症・緩和ケア・在宅医療・医薬品情報・レギュラトリーサイエンスなど、専門領域ごとに関連学会や研究会が幅広く展開されています。日本緩和医療薬学会、日本医薬品情報学会、日本レギュラトリーサイエンス学会など、認定制度や研修単位に関係する学会・団体もあります。
各都道府県の薬剤師会や、日本薬剤師会・日本病院薬剤師会のブロック支部が主催する地方大会・支部会も存在します。都道府県薬剤師会や地方の学会・支部などでは、地域に根ざした研修会や学術集会などが開催されています。組織によっては限られた人員で事務局業務を担っているケースもあり、担当者の負担が課題となることがあります。
薬剤師は保険薬局・病院・製薬企業・大学(教育研究職)と勤務先が大きく分かれ、それぞれ日常業務のリズムが異なります。保険薬局薬剤師は店舗の営業時間の合間、病院薬剤師は交代制勤務の合間、大学教員は教育・研究の合間で学会活動に時間を割かなければなりません。
そのため、勤務先や職種などの会員属性に応じた情報提供や各種手続きへの対応が必要になる場合があり、事務局の負担につながることがあります。
薬剤師の認定制度や生涯研修制度では、制度ごとに単位認定条件や申請方法などが定められています。そのため、研修会の受講記録や単位情報の管理、認定・更新申請に関する事務などが発生し、制度ごとのルールや関係機関との連携を踏まえた運用体制が必要になります。
薬機法や製薬業界の自主的なプロモーションに関するルールなどを踏まえた対応が求められる場合があります。講演者の利益相反(COI)開示の受付・確認、企業からの寄附金や学術研究助成費等に関する事務、後援・共催の許諾条件の確認など、製薬企業との関係を適切に管理するための専門知識が求められます。
COI管理には一定のルールに基づいた確認が必要となるため、手続きや確認基準を明確にし、適切に運用できる体制を整えることが重要です。
6年制薬学教育に伴い、学生の病院・薬局実務実習に関する調整や、認定実務実習指導薬剤師制度に関連する事務が発生します。認定実務実習指導薬剤師制度は、2022年4月から一般社団法人薬学教育協議会が認定事業を担っています。薬学系団体が実務実習に関する事業や教育活動を行う場合には、関係機関との連携や各種事務が必要となることがあります。
薬学系学会・薬剤師会の運営では、会員の勤務先や職種が多様であることに加え、認定薬剤師制度や生涯研修、学術大会、COI管理、薬学教育に関する業務など、団体ごとにさまざまな専門業務が発生します。
外部委託を活用することで、担当者は研究・調剤・服薬指導・教育といった本来のコア業務に集中できる環境を取り戻せます。全面委託だけでなく「最も専門性が高く負担の大きい業務(認定制度運用やCOI審査など)から部分委託で始める」という選択肢も有効です。
学術大会の運用から、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッド開催まで、幅広く対応した3社について学会の規模と目的別に紹介します。(2022年6月調査時点)


