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学会事務局代行のメリット・デメリット

学会事務局代行とは?

学会事務局代行とは、学会の運営に必要なさまざまな事務作業を専門業者が代行するサービスです。これには、会員の管理や会費の徴収、財務の記録・監査対応、学会総会やセミナーなどのイベント運営サポート、問い合わせ窓口の設置・運営、さらには学会誌や広報資料の作成・配布といった業務が含まれます。このように、学会の運営に欠かせない日常業務を専門の知識を持つ業者に任せることで、学会関係者は本来の研究活動や教育、企画に集中できる環境を整えることが可能です。

学会事務局代行で対応可能な主な業務

会員管理業務

会員管理は学会運営の基盤となる重要な業務の一つです。代行業者は、会員情報の登録や更新、入退会手続きの対応など、正確性と効率性が求められる作業を担います。また、会費の徴収や督促などの経理的な側面も含まれるため、学会の財務基盤を安定させるために欠かせない役割を果たします。最新の会員管理システムを導入している業者であれば、クラウドベースで情報を一元管理し、リアルタイムでの更新や参照が可能となり、管理負担を大幅に軽減できます。

財務管理業務

学会の財務管理には、収支の記録や管理、収支報告書の作成、監査対応などが含まれます。代行業者がこれらの業務を担当することで、財務データの透明性が向上し、運営側が安心して学術活動に専念できる環境を提供します。また、財務管理の専門知識を持つスタッフが担当するため、税務処理や法的な要件への対応も正確かつ迅速に行われます。特に、年次総会や国際会議など大規模イベントの際には、複雑な会計処理をスムーズに進めるためのノウハウが重宝されます。

イベント運営サポート

学会のイベント運営は、計画段階から当日の実施、事後処理に至るまで多岐にわたる業務を含みます。代行業者は、参加者の登録や案内の配信、当日の受付業務、タイムテーブルの管理、さらにはイベント終了後のアンケート集計や参加者へのフォローアップまでを一貫してサポートします。特に、オンライン開催が増えている昨今では、ウェビナーやハイブリッドイベントの運営ノウハウを持つ業者が求められています。これにより、運営負担を軽減しつつ、参加者にとってスムーズで満足度の高いイベントを実現できます。

問い合わせ対応業務

学会運営には、多岐にわたる問い合わせへの対応が不可欠です。代行業者は、会員や参加者、協賛企業などからの問い合わせ窓口として機能し、迅速かつ丁寧な対応を行います。問い合わせ内容は、会員情報の変更やイベント参加手続き、資料請求などさまざまですが、専門スタッフが対応することで信頼感を高めると同時に、学会側の負担を軽減します。また、対応記録をシステム上で管理することで、学会運営の課題を可視化し、改善につなげることも可能です。

広報資料作成・配布業務

学会誌や会報の作成、ウェブサイトの更新、広報資料の制作・発送なども代行業者が対応可能な業務の一部です。特に、学術成果を外部に発信する役割を担う学会にとって、正確で魅力的な広報物の作成は重要です。業者はプロの編集スタッフやデザイナーを擁している場合が多く、質の高い資料を作成することができます。また、電子化が進む現代では、メール配信やデジタルパンフレットの制作といったオンラインでの広報活動を支援するサービスも増えています。

学会事務局代行を利用するメリット

コスト削減が期待できる

学会事務局代行の利用は、コスト削減に大きく貢献します。従来、学会事務局の運営には専属のスタッフを配置する必要があり、人件費やオフィスの維持費、ITシステムの導入費用など、固定費がかさむ場合が多くありました。しかし、事務局業務を外部業者に委託することで、これらの固定費を大幅に削減できます。特に学会の規模や運営方針に応じて、必要な業務だけを選択的に依頼できるため、費用対効果を高めることが可能です。さらに、代行会社が提供するパッケージサービスを利用すれば、複数の業務を一括して依頼することでコストを抑えることもできます。このように、学会の予算規模に合わせた柔軟なプランを活用することで、従来よりも効率的な資金運用を実現できるのが大きな魅力です。

専門性を活かした業務効率化

代行業者は学会事務局運営に特化した専門知識を持つスタッフを抱えており、業務効率の向上に貢献します。学会独自のルールや法規制に精通しているため、運営における不明点や手間のかかる業務もスムーズに対応できます。また、専用のクラウドシステムを活用して会員情報や財務データを管理することで、手動で行っていた作業を大幅に簡略化できます。この結果、業務の正確性が向上し、ミスや遅延を防ぐことができます。特に学会規模が大きくなると、業務量が膨大になるため、専門業者による効率化の効果は一層顕著です。

コンプライアンスとセキュリティの強化

近年、個人情報の保護や資金管理の透明性確保が学会運営において重要な課題となっています。学会事務局代行業者の多くは、最新のセキュリティ技術を採用しており、会員情報や財務データの取り扱いにおいて高い安全性を確保しています。また、業者が取得している個人情報保護の認定や、法令遵守の体制があることで利用者は安心できます。特に、複数の学会を運営してきた実績がある業者であれば、リスク管理のノウハウも豊富で、運営における不安材料を大きく減らすことができます。

繁閑に応じた柔軟な対応ができる

学会の活動には繁忙期と閑散期があり、運営負担が時期によって大きく異なります。代行業者を利用すれば、この波に応じてリソースを柔軟に調整することが可能です。たとえば、学会総会や年次大会などの繁忙期にはフルサポートを受け、通常業務が少ない時期には最低限のサポートに切り替えるなど、運営にかかる負担とコストを最適化することができます。このように、学会活動の特性に合わせた対応を行える点も代行サービスの大きなメリットです。

学会事務局代行のデメリットと注意点

費用が増大する場合もある

学会事務局代行サービスは多くのメリットを提供する一方で、依頼する業務の範囲や学会の規模によっては費用がかさむ場合があります。特に、すべての業務を一括して委託すると、その分だけコストが高くなる傾向があります。また、繁忙期にリソースを多く投入する必要がある場合、追加費用が発生することもあります。このため、事前にサービス内容と費用について十分な説明を受け、見積もりを詳細に確認することが重要です。長期的なコストパフォーマンスを考慮し、必要最小限の業務範囲に絞った委託を検討することが対策の一つとなります。

学会の独自性を損なう可能性がある

学会運営においては、学会ごとの独自性や文化を守ることが非常に重要です。外部業者に業務を委託する場合、業者が学会の方針や特性を十分に理解していないと、運営が画一的になり、学会の独自性が損なわれる可能性があります。このような事態を避けるためには、業者と十分なコミュニケーションを図り、学会の理念や目標を正しく共有することが大切です。また、業者が提案する運営方法が学会の方針に合致しているかを慎重に検討し、必要に応じてフィードバックを行う仕組みを構築することが望ましいと言えます。

学会事務局代行を依頼する際のポイント

適切な代行業者の選び方

学会事務局代行を成功させるためには、信頼できる業者を選ぶことが重要です。まずは業者の実績を確認し、これまでにどのような学会をサポートしてきたのかを調べましょう。特に、類似する規模や分野の学会を運営した経験がある業者は、適切な対応が期待できます。また、業者が抱えるスタッフのスキルや専門知識のレベルも選定時の大きな判断材料となります。例えば、会員管理や会計処理に精通していることはもちろん、学会の規模拡大や国際化に対応できるノウハウがあるかどうかも確認すべきポイントです。さらに、提案されたサービス内容が学会のニーズに合っているか、業者のサポート体制が迅速かつ柔軟であるかも重要な要素と言えます。

見積もり時に確認すべきポイント

業者に見積もりを依頼する際は、費用だけでなく提供されるサービス内容を詳細に確認する必要があります。どの業務が委託範囲に含まれているのか、また、追加料金が発生する可能性のある業務は何かを明確にすることで、予算オーバーを防ぐことができます。また、サービスの提供期間や契約形態についても注意が必要です。長期契約の場合は、学会の運営方針や規模の変化に応じた契約内容の変更が可能かどうかを確認しておくと安心です。さらに、契約解除の条件や解約時の費用負担についても、トラブル防止のために事前にチェックしておくべきポイントです。

学会の運営方針に沿った業者選定のコツ

学会の理念や運営方針に合致した業者を選ぶことも重要です。業者が学会のビジョンを共有し、それを実現するための提案を行えるかどうかを見極めましょう。具体的には、学会独自の活動や文化を尊重し、カスタマイズ可能なサービスを提供できるかどうかが鍵となります。また、運営方針について定期的に話し合いの場を設け、業者と学会間の連携を深めることで、委託業務がよりスムーズに進行します。このように、業者と学会が同じ方向を向いて運営を進められる関係を構築することが、学会事務局代行を最大限に活用するポイントと言えるでしょう。

学会事務局代行で運営の負担を減らそう

学会事務局代行は、運営の負担を軽減し、効率化を図るための有効な手段です。会員管理や財務管理、イベント運営などの多様な業務を専門家に委託することで、学会関係者は本来の活動に専念できる環境を整えられます。適切な業者を選定し、必要な業務に絞って委託することで、コストを抑えつつ効果的な運営が可能です。学会の特性に合った代行サービスを活用し、運営の質を向上させることを検討してみてください。
規模と目的別に選ぶ
学会委託代行会社3選
 

学術大会の運用から、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッド開催まで、幅広く対応した3社について学会の規模と目的別に紹介します。(2022年6月調査時点)

[小中規模向け]~2000名
限られた予算内で
国内大会を委託したい
コームラ
コームラ
引用元:コームラ公式HP(https://k-gakkai.com/)
特 徴
  • 大会の運営から開催まで小中規模学会に精通した自社スタッフが伴走
  • 必要なサービスを予算に合わせて最大限の対応を提案
  • 医学、歯学、薬学の学会にて大会の運営事務局の実績あり
事 例
  • 医学系学会の運営事務局を当日運営(参加者:600名)
  • 農学系学会の参加登録・演題登録・印刷物制作(参加者:1,000名)
参照元:コームラ公式HP
https://www.kohmura.co.jp/service/association_support
[中大規模向け]~10000名
継続的に
拡大していきたい
創文
創 文
引用元:創文公式HP(https://www.soubun.com/)
特 徴
  • 幅広い規模に対応し、学会の成長を支援
  • 80年の実績とノウハウを元に提供
  • 会員・会計管理等の煩雑な業務も代行可能
事 例
  • 気化学会(学会約3万3,000人)の大会運営支援(参加者:1,000名以上)
  • 日本化学会(学会約2万3,000人)の 大会運営支援(参加者:1,000名以上)
参照元:創文公式HP
https://www.soubun.com/society/
[大規模向け]10000名以上
大規模な国際大会を
開催したい
JCS
JCS
引用元:JCS公式HP(https://www.convention.co.jp/)
特 徴
  • 180カ国が参加する国際会議や約2万人が参加する大規模大会の実績を誇る
  • ISO20121を取得し学術大会の品質を確保
  • 政府系会合や国際学会などもプロデュース
事 例
  • 日本外科学会の大会運営(参加者:約20,000名)
  • 日本乳癌学会学術総会の大会運営
参照元:JCS公式HP
https://www.convention.co.jp/result/