臨床検査系学会や都道府県技師会の運営に負担を感じていませんか?本記事では、検査業務との兼務による負担に加え、臨床検査分野特有の指定講習会・認定制度運営の負担を軽減する学会運営委託のメリットや業務内容、代行会社の選び方を解説します。
臨床検査系の学会や都道府県技師会には、検査室での日常業務と兼務しながら運営を担う会員が多いことに加え、法制度に基づく指定講習会の運営や検査領域ごとの認定制度など、専門性の高い事務局業務が存在します。
令和3年の医療法等改正(法律第49号)により、臨床検査技師に新たに10行為の業務が認められ、令和3年10月1日から施行されました。この追加業務を行うには、厚生労働大臣が指定する研修の修了が必要とされ、告示第274号・第276号により、この指定講習会は、厚生労働大臣の指定を受けて日臨技が実施しています。
講習は「日臨技Web研修システムによる基礎講習(オンデマンド)」と「都道府県技師会が開催する実技講習」の2段階構成になっており、実技講習1枠あたりの定員は最大60人、募集対象とする都道府県は開催する都道府県技師会側が設定します。
受講者・履修者名簿は都道府県技師会と共有され、受講料の支払期限管理、顔写真貼付済みの受講票発行、キャンセル対応など、事務手続きが細かい点も特徴です。
臨床検査分野には、認定病理検査技師制度、認定臨床化学・免疫化学精度保証管理検査技師制度、認定一般検査技師制度など、検査領域ごとに個別の認定制度が並立しています。
それぞれ受験資格や認定・更新の基準が異なり、一部の制度は他の専門学会と共同で運営されているなど制度ごとに運営体制も異なるため、事務局の負担を大きくしています。
都道府県技師会では、地域の精度管理調査や日臨技の精度管理事業に関連した業務を担う場合があります。研修会の運営とは異なり、検査データそのものを取り扱う業務であり、精度の確保という臨床検査分野の根幹に関わる専門性の高い事務局業務です。
学会運営代行サービスを利用することで、日常的なバックオフィス業務から学術集会運営、指定講習会・認定制度に関わる事務局業務までを部分的にアウトソーシングできる可能性があります。
入会・退会手続き、会費請求・未納者への督促、会員データベースの管理、問い合わせ対応などの通年業務を代行します。都道府県技師会単位での会員管理など、組織の階層構造に合わせた運用にも対応できるかがポイントです。
学術大会や定期研修会の会場手配、演題登録・査読対応、参加登録システムの構築、当日の受付・誘導スタッフの手配までを委託できます。指定講習会の実技講習のような、定員管理・支払期限管理・受講票発行を伴う複雑な申込業務についても、事務局代行の枠組みで一部を切り出せる可能性があります。
学会誌や会報の編集・発行業務に加え、オンライン投稿・査読システムの導入、J-STAGE収録のためのデータ作成、DOI付与に必要なデータ作成支援など電子ジャーナル化を支援するサービスもあります。
認定制度における受験資格の確認事務や単位管理、調査に関する受付や参加者管理など、検査技師会の専門判断が必要な業務を除いた事務作業を切り出して委託できる場合があります。委託範囲は会社によって異なるため、具体的にどこまで対応可能かは個別に確認が必要です。
臨床検査技師会や医学系学会での事務局運営実績があるかを確認しましょう。検査領域特有の専門用語や、複数の認定制度が並立する仕組みに慣れている会社であれば、事前の打ち合わせや業務移行がスムーズに進みます。
「会員管理のみ」「学術大会運営のみ」など、必要な業務だけを切り出して依頼できる柔軟性が重要です。都道府県技師会のような比較的小規模な組織から全国規模の学会まで、規模に応じた料金体系を提示してくれる会社を選びましょう。
会員の個人情報や検査に関わるデータを扱うため、厳重なセキュリティ対策が整っているかも確認が必要です。あわせて、指定講習会の定員管理・支払期限管理・受講票発行のような、期日と件数の管理が求められる細かな事務にどこまで対応できるかも、委託先選定の重要な判断材料になります。
臨床検査系学会や技師会の運営は、検査精度の維持や技師の専門性向上に欠かせない活動です。しかし、日常の検査業務と兼務しながら、指定講習会の運営や複数の認定制度の管理、精度管理調査のデータ処理まで担うのは大きな負担となります。
医療・検査分野に精通した運営代行会社に、対応可能な範囲を確認しながら業務を切り出して委託することで、属人化や引き継ぎの課題を解消し、安定した運営基盤を築くことができます。まずは自団体の課題を洗い出し、必要な業務を柔軟に相談できるパートナーを見つけ、本来の目的である検査業務や学術活動に専念できる環境を整えていきましょう。
学術大会の運用から、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッド開催まで、幅広く対応した3社について学会の規模と目的別に紹介します。(2022年6月調査時点)


