教育学系学会の運営を担当することになったものの、「開催校が変わるたびに大会運営の引き継ぎが必要になる」「査読業務と事務作業を両立するのが難しい」と感じる方もいるのではないでしょうか。本記事では、教育学系学会で生じる運営上の課題と委託できる業務の範囲を整理したうえで、委託先を選ぶ際の具体的なポイントを解説します。
教育学系学会と一口に言っても、その種類と規模はさまざまです。まず全体像を把握しておきましょう。
教育学分野の全国学会には、日本教育学会・日本教育心理学会・日本教育社会学会・日本教育方法学会など、教育を学問として研究する立場の学会が多数存在します。教育学系学会には、大学教員・研究者をはじめ、大学院生や現職教員など、教育研究に関わるさまざまな立場の会員が所属しています。年次大会では、研究発表やシンポジウム、課題研究などが行われます。
国語教育・算数数学教育・理科教育・社会科教育・特別支援教育・生涯学習・比較教育など、専門領域ごとに関連学会や研究会が幅広く展開されています。教科教育系の学会には、大学教員・研究者だけでなく、現職の小中高の教員などが参加する学会もあります。
各地域の教育学研究会や、大学の紀要編集を兼ねる研究会なども存在します。組織によっては限られた人員で事務局業務を担っている場合があり、担当者の負担が課題となることがあります。
開催校が変わる場合、会員情報や過去の会計資料、運営マニュアルなど、大会運営に必要な情報やノウハウを次年度の担当者へ引き継ぐ必要があります。資料や手順を適切に整理・共有できていない場合、引き継ぎにかかる担当者の負担が大きくなることがあります。
教育学系学会では、学会誌や紀要への投稿論文について査読を行う学会が多く、査読委員の選定・依頼、査読期限の管理、査読結果の取りまとめなど、編集に関する事務が発生します。投稿数や刊行頻度によっては、査読の進行管理が事務局の負担となることもあります。
査読対応が滞ると論文掲載までのスケジュールに影響する可能性があるため、査読依頼や進行状況を適切に管理することが重要です。
学会によっては、一般会員、学生会員、名誉会員、機関会員など複数の会員区分が設けられています。また、学生会員を対象とした会費の優遇制度などを設けている学会もあり、区分ごとの管理が煩雑になります。
会員が所属機関の研究費等から学会参加費などを支出する場合、所属機関の経理処理に対応した請求書・領収書などの発行が求められることがあります。
教育学分野では、学校現場や児童・生徒などを対象とした研究も行われるため、研究内容に応じて倫理審査や個人情報の適切な取り扱いが求められます。学会が研究助成や共同研究などを実施する場合には、研究倫理に関する申請受付や資料管理、審査委員会の運営サポートなどの事務が必要となることがあります。
なお、大会実行委員会を開催校に置いて大会運営を行いつつ、会員管理や査読システムの運用などを外部委託して固定する「部分委託」の形態も選択肢の一つです。
教育学系学会の運営では、大会の開催校が年度ごとに変わる場合、開催校を中心とする大会実行委員会への引き継ぎが発生します。加えて、学会誌・紀要の編集や査読、教育研究に関する倫理対応など、学会ごとの活動内容に応じた専門的な事務も発生します。
外部委託を活用することで、開催校が変わっても運営品質を維持し、担当者は教育・研究といった本来のコア業務に集中できる環境を取り戻せます。全面委託だけでなく「会員管理と査読システムだけを固定の委託先に任せ、大会運営は持ち回りのまま残す」という部分委託の選択肢も有効です。
学術大会の運用から、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッド開催まで、幅広く対応した3社について学会の規模と目的別に紹介します。(2022年6月調査時点)


