栄養士系学会・管理栄養士会の運営を担当することになったものの、「会員の勤務先がバラバラで連絡が行き届かない」「食品企業からの協賛をどこまで受けてよいのか判断に迷う」と悩んでいる方は少なくありません。本記事では、栄養士系学会・管理栄養士会に特有の運営課題と委託できる業務の範囲を整理したうえで、委託先を選ぶ際の具体的なポイントを解説します。
栄養士系の学術団体・職能団体と一口に言っても、その種類と規模はさまざまです。まず全体像を把握しておきましょう。
栄養士系の全国組織には、職能団体である日本栄養士会と、学術学会である日本栄養改善学会・日本臨床栄養学会・日本病態栄養学会・日本栄養治療学会などがあります。日本栄養士会は、管理栄養士・栄養士の職能団体として、生涯教育・認定制度の運営、政策提言など幅広い活動を行っています。また、都道府県栄養士会と連携しながら、全国の管理栄養士・栄養士を支援しています。
臨床栄養、公衆衛生栄養、スポーツ栄養、在宅栄養、腎臓病・糖尿病などの疾病領域、給食経営管理など、専門領域ごとに関連学会や研究会が幅広く展開されています。認定管理栄養士・専門管理栄養士などの認定制度では、関連する学会・研修への参加や単位取得が申請・更新要件に含まれる場合もあります。
各都道府県の栄養士会や、ブロック単位の研究大会も存在します。組織によっては限られた人員で事務局業務を担っている場合があり、担当者の負担が課題となることがあります。
管理栄養士・栄養士は病院、学校(栄養教諭・学校栄養職員)、地方自治体(保健所・保健センターの行政栄養士)、給食受託企業、食品企業、福祉施設、大学・研究機関と勤務先の裾野が非常に広く、同じ「栄養士」という資格でも働き方が大きく異なります。
勤務先ごとに参加しやすい大会の時間帯・支払い方法(個人払いか施設払いか)・連絡手段への希望が異なるため、一律の会員管理では対応しきれない場面が多く生じます。
日本栄養士会では、生涯教育制度を設け、基本研修・実務研修などの受講を通じて単位を取得する仕組みを整えています。また、認定管理栄養士・認定栄養士や特定分野別・専門分野別の認定制度が設けられており、制度によって所定の研修受講や単位取得などが認定・更新の要件となります。
研修の受講記録や単位の確認、認定・更新申請に関する事務など、制度に応じた継続的な管理が必要になります。
学術大会などで食品企業による展示や共催企画、広告掲載などを受け付ける場合には、関係する法令や業界ルール、学会・団体独自の規程などを踏まえた確認が必要になることがあります。特に食品の健康効果などに関する表示を扱う場合には、健康増進法や食品表示法といった関連法令に抵触しないよう、表示内容を適切に確認する体制が重要です。
また、企業からの協賛を受ける場合には、協賛条件や広告内容などを事前に確認し、学会・団体としての中立性や信頼性を確保することが求められます。
日本栄養士会や都道府県栄養士会などでは、行政・自治体と連携して管理栄養士・栄養士の専門性を活かした事業を実施する場合があります。こうした事業では、事業内容に応じて参加者の管理、実施状況の集計、報告書作成などの事務が発生することがあります。
なお、事務局機能を団体側に残しつつ、会員管理や単位管理、企業展示・広告関連の事務などを外部委託する「部分委託」の形態も選択肢の一つです。
栄養士系学会・管理栄養士会の運営では、会員の勤務先が病院・学校・行政・企業・大学など多岐にわたることに加え、生涯教育制度や認定制度の運用、食品企業との協賛・広告関連の対応、行政・自治体と連携した事業に関する事務など、団体ごとの活動内容に応じたさまざまな業務が発生します。
外部委託を活用することで、担当者は栄養指導・教育・研究といった本来のコア業務に集中できる環境を取り戻せます。全面委託だけでなく「最も専門性が高く負担の大きい業務(単位管理や企業展示・広告関連の事務など)から部分委託で始める」という選択肢も有効です。
学術大会の運用から、オンライン・オフラインを組み合わせたハイブリッド開催まで、幅広く対応した3社について学会の規模と目的別に紹介します。(2022年6月調査時点)


